畳スペースについて考える

こんにちは。リフォームアドバイザーの大場です。

古いマンションの場合、必ずと言っていいほど和室がございます。お客様をお迎えしたり、寝室にしたり、落ち着く空間である和室は日本の暮らしに根付いた文化です。リフォーム・リノベーションにおいて、「和室を無くして洋室にしたい」というご要望は非常に多いのですが、それでも寛げる畳の空間を残したいという方も少なくありません。近年和室の魅力は見直され、あえて「和室」ではなく「畳スペース」としてリビングの一角に畳を使用する間取りが増えています。

今回はその「畳スペース」をテーマにし、弊社の施工事例をご紹介します。

■現代の暮らしになじむモダン畳が主流

一言に畳と言っても、従来のい草おもての畳を採用することは現代の住宅においてはかなり珍しくなりました。現代の畳コーナーで使用される畳の代表的な例は、DAIKENの「ここち和座」という商品です。このモダン畳の大きな特徴は、畳が持つ吸湿・放湿性はそのままに、い草の変わりに機械すき和紙を使用している点にあります。それにより、

①カビの発生やダニの増殖を抑えられて清潔

②樹脂コーティングも施されているため撥水性を持ちお手入れが楽

③い草おもてよりも日焼けに強く、変色が抑えられるので色の美しさが長持ち

④い草おもての3倍の耐久性があり、ささくれが起こりにくい。

⑤豊富なカラーバリエーションにより、フローリングのお部屋など現代の住まいに馴染みやすい

以上5点の、まさに現代の暮らしに適した特徴を持っています。

また、小上がりの畳スペースを手軽に造作でき、収納も確保できるPanasonicの「畳が丘」という商品も人気があります。こちらの畳おもてはポリプロピレン製。こちらも丈夫で扱いやすく汚れに強い性質があります。

■リビングに畳スペースを設ける暮らし

畳のお部屋というと、客間のイメージが強いですよね。しかし、畳スペースを採用するリノベーションで最も注目されているのは、リビングに隣接してセカンドリビングのように使う暮らしなのです。

フローリングにソファを置いたリビングとは別の3畳~4.5畳のスペースがあると、家族が集まった時、それぞれが好きな過ごし方をしていても気になりません。ゴロンと横になってお昼寝したり、子供を遊ばせたり、と家族の気配を感じながら自由に使えるのが魅力です。

また、下記の3つのタイプがありますのでライフスタイルに合わせて選びましょう。

①フラットタイプの畳スペース

フローリングの床と同じ高さに畳を敷き込むタイプです。段差がないため、つまずいたり転落したりする心配もありません。(DAIKENここち和座敷き込みタイプ)

②小上がりタイプの畳スペース

リビングの床から、20cmくらい高いところに畳を敷いたスペースを、小上がりと言います。一段上がっているため、リビングとゆるやかに空間が分けられ、おしゃれなイメージです。

段差を使って収納を作ったり、ソファのように腰かけたりする使い方もできます。フラットな畳コーナーに比べて設置に費用がかかることや、つまずき、転落の可能性があることがデメリットとして挙げられます。(Panasonic畳が丘)

③個室にもなる畳スペース

弊社の施工事例で最も多いのは、畳スペースとリビングの間に引戸などの間仕切りを設置し、個室として使うこともできるようにするタイプです。来客の寝室や、体調の悪い家族のための部屋として使うなら、間仕切りがあると何かと便利です。普段は仕切りを開けておいて、広いリビングとして使用することが多くなります。

まとめ

リビングに隣接して畳スペースがあると、リビングでの過ごし方の幅が大きく広がります。また、床座の暮らしができるスペースがあるとリラックスもできますね。リノベーションで和室の有無を検討される際は是非「畳スペース」についてご一考ください。

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