高齢者に安全なお風呂と工夫

こんにちは。リフォームアドバイザーの大場です。

ご高齢のお客様や、ご家族に介護が必要な方がいらっしゃるお客様からのお風呂のリフォームで最も要望が多いこと、それは「安全で入浴介助もしやすいお風呂」です。

広くて安全なお風呂に生まれ変わったらどれほど素晴らしいでしょう。しかしながらマンションリフォームにおいては浴室の広さに制限がある場合が多かったり、採用できる商品も限定的になるケースがほとんどです。その為、お使いになる方に応じた工夫をしっかり考える必要が出てくるのです。

今回は我々マンションリフォームの専門家だからこそ言える、高齢者向け浴室リフォームで注意すべきポイントと工夫2つを紹介します。

■「浴槽内ステップ」の落とし穴

現在のユニットバスは洗い場の床面から浴槽の縁までの立ち上がりの高さは42~45cm程度のものが多く、従来型に比べてまたぎやすく、安全な作りになっています。しかし足腰に不安があったり、より小柄な高齢者にとってはまだまだ大変な高さです。

そこで立ち上がりや浴槽またぎがしやすくするため、浴槽内にベンチのようなステップ(段)が付いているモデルを所望するお客様が多いのですが、実はこれには大きな落とし穴があります。

それは浴室のサイズが大きくないとそもそもステップ付きのものが選べない(ほとんどのメーカーが1416サイズから対応しています)ということ、そして実は滑りやすいので階段みたいに使うのは危険ということです。

この2点の理由から私は浴槽内ステップを採用する代わりに、市販品で手に入る「浴槽台」を使用してもらうことを推奨しています。吸盤付きで浴槽内にしっかりと固定できるタイプや、浴槽内と洗い場で兼用できる自重で沈むタイプなどがあります。費用は大体15,000円~20,000円程度です。浴槽内サイズをしっかり確認して、適切なサイズのものを選びましょう。

■手摺りの取付位置をしっかり考えよう

安全に入浴するためにも、浴室内の手すりは数カ所に取り付けることをおすすめします。サイズや取付位置は、お使いになる方の使いやすさを考慮ながら、決定してください。既に介護認定を受けているご家族様がいらっしゃる場合は、ケアマネージャー様にもご相談されると良いでしょう。

●出入口

リフォームによって脱衣所と浴室の段差は解消されたり、段差を低くできることがほとんどですが、特に古いマンションの場合はどうしても段差解消ができないケースも見受けられます。

出入口は滑りやすい為、脱衣所側に縦手摺りを取付することも検討してみましょう。また、小さいもので良いので浴室側入口ドア近くにも設置すると安全性が高まります。

●洗い場から浴槽への出入り

洗い場に「縦手すり」を設置すると、立ち座りがラクになります。手すりとシャワーハンガーを1本にまとめたスライドバー兼用タイプもご用意があります。

●浴槽内立ち座り

浴槽の横に「横手すり」を取り付けると、入浴姿勢を安定させることができます。立ち座りの時にもとても便利です。

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